July 06, 2005
香港へ行くはずがニューヨークへ?1
もうずいぶん前になりますが、ホンコン行きのお客サマがニューヨーク行きに乗ってしまった、という事件がありました。
システムが高度になり、セキュリティーが強化されている今では絶対にありえないことですが、当時は、勘違い・手違いなどで違う目的地の飛行機に乗っていってしまった(mis-boardingと言います)お客サマは1人や2人ではなかったのです。1○年前はコンピュータも完璧ではなく「マニュアル・チェックイン」というものが日常茶飯事で、搭乗口でも今のような誰が乗って誰が乗っていないかキッチリ把握することなく飛行機が出発するということはふつうだったのです。今思えば恐ろしいですよね。
「ホンコン行きがニューヨーク行きに」へ話を戻しますと、その日前日到着予定だったニューヨークからの便が遅れ早朝に到着していました。そして元々前日にホンコンに向かう予定だったお客サマはそのまま自動的に一日遅れの便に振り返られていたのです。
その日の私は乗り継ぎカウンターの担当で、いつものとおりトグロを巻いて列をなすお客サマの対応をしていました。その中に右手を骨折されたのかギブスをした年配の女性のお客サマがいらして、「ふんふん」と言いながら、搭乗券を差しだしたので見ると「ホンコン行き」
「搭乗券をお持ちなので○○番ゲートで搭乗のご案内をお待ちください」と、ゲートが記されているところを赤ペンで丸をグリグリしてご案内をしたのです。出発 まで6時間近くありますが、英語も日本語も通じなく、私も広東語は全く話せないのでとにかくゲートをご案内するのみで次のお客サマの対応にあたったのでし た。
その後、何度もそのお客サマは乗り継ぎカウンターのヘリ捕まり、ニコニコしながらカニのように伝ってとおり過ぎるので
「お客サマ、ホンコン行きは○○番ですよ〜〜〜」と声をかけましたが、そのままとおりすぎいってしまうので特に用事はなかったのでしょう。でも一定の時間に現われるので、その度に
「お客サマ、ホンコン行きは○○番ですよ〜〜〜〜」と繰り返して、忙しいながらもその状況を楽しんでいたのでした。
夕方、担当の便の前にホンコン行きのゲートに顔を出してみても例のお客サマは見当たらず、今のように搭乗したかどうかコンピュータではわからない時代でしたので、「もう搭乗されたのかな?」と特に気に留めずゲートを後にしてしまったのでした。
そして、次の次の日の業務開始前のブリーフィングでのこと。
「先日、ホンコン行きの方が間違ってニューヨーク行きに搭乗した件があります。搭乗券の行き先確認は慎重に。そして、そのお客サマは本日戻っていらっしゃいます。到着時のミート(出迎えのこと)とホンコン行きの出発時のアシストをお願いします。」
と上司。到着時の出迎えの担当はこの私でありましたが、
「そんなこともあるんだねぇ」
前々日のことはすっかり頭からなくなっていた私は同僚と無意味な感嘆にふけっちゃいました。
そして、到着機のドアを開けるとあのお客サマが相いも変わらずの笑顔でパーサーとドアサイドに立っているではないですか!まさかニューヨークに行っちゃったのがあのお客サマだとは思わなかった!
「ああああぁーーーー」と驚く私に
「あ〜あ〜あ〜あ〜、○×□△%?」と広東語で叫び嬉しそうに抱きついてくるお客サマ。
「本当にごめんなさい。ごめんなさい。許してね」
そして、骨折してギブスをした腕を吊るしている三角巾には
「TO HKG 」
とマジックで書かれてある!いくらなんでもこれはヒドイ!と、さすがに悲しくなり
「お〜ん、お〜ん(>_<)」と声をあげて泣いてしまったのは、そう私・・・・
もし自分の祖母がこんな目に遭っていたらと思うとやり切れなかった。そんなことも今まで気がつかなかった自分にも腹が立つし・・頭の中は混乱・混乱。そんな私ににびっくりしたお客サマが私を「よしよし」と慰めてくれたという情けない結果。本当情けない・・・
お互い言葉が完璧に通じないながらもわかったことは、あの日私が教えた搭乗口は正しかったが、ホンコン行きの前にニューヨーク行きの出発があったそう。 ニューヨークから来たしなんとなく行ったら乗れちゃったようで、降り立ったらニューヨークでびっくりしちゃった!(とおっしゃっていたと思う・・)
ギブスにこんなにされちゃって本当に申し訳ない気持ちで一杯でしたが、
「これでばっちり。ホンコン行ける。だから、大丈夫!」(たぶん)と親指を立ててウインクした顔が今でも忘れられません。
今はこんなずさんなことからmis-boarding(行き先間違え)は絶対にありませんが、私がサービス業に携わるものとして常に謙虚な気持ちでいることの大切さを学んだ貴重な経験でした。
あのお客サマは今どうなさっているのでしょう。ご健康でご健在であることを願います。
システムが高度になり、セキュリティーが強化されている今では絶対にありえないことですが、当時は、勘違い・手違いなどで違う目的地の飛行機に乗っていってしまった(mis-boardingと言います)お客サマは1人や2人ではなかったのです。1○年前はコンピュータも完璧ではなく「マニュアル・チェックイン」というものが日常茶飯事で、搭乗口でも今のような誰が乗って誰が乗っていないかキッチリ把握することなく飛行機が出発するということはふつうだったのです。今思えば恐ろしいですよね。
「ホンコン行きがニューヨーク行きに」へ話を戻しますと、その日前日到着予定だったニューヨークからの便が遅れ早朝に到着していました。そして元々前日にホンコンに向かう予定だったお客サマはそのまま自動的に一日遅れの便に振り返られていたのです。
その日の私は乗り継ぎカウンターの担当で、いつものとおりトグロを巻いて列をなすお客サマの対応をしていました。その中に右手を骨折されたのかギブスをした年配の女性のお客サマがいらして、「ふんふん」と言いながら、搭乗券を差しだしたので見ると「ホンコン行き」
「搭乗券をお持ちなので○○番ゲートで搭乗のご案内をお待ちください」と、ゲートが記されているところを赤ペンで丸をグリグリしてご案内をしたのです。出発 まで6時間近くありますが、英語も日本語も通じなく、私も広東語は全く話せないのでとにかくゲートをご案内するのみで次のお客サマの対応にあたったのでし た。
その後、何度もそのお客サマは乗り継ぎカウンターのヘリ捕まり、ニコニコしながらカニのように伝ってとおり過ぎるので
「お客サマ、ホンコン行きは○○番ですよ〜〜〜」と声をかけましたが、そのままとおりすぎいってしまうので特に用事はなかったのでしょう。でも一定の時間に現われるので、その度に
「お客サマ、ホンコン行きは○○番ですよ〜〜〜〜」と繰り返して、忙しいながらもその状況を楽しんでいたのでした。
夕方、担当の便の前にホンコン行きのゲートに顔を出してみても例のお客サマは見当たらず、今のように搭乗したかどうかコンピュータではわからない時代でしたので、「もう搭乗されたのかな?」と特に気に留めずゲートを後にしてしまったのでした。
そして、次の次の日の業務開始前のブリーフィングでのこと。
「先日、ホンコン行きの方が間違ってニューヨーク行きに搭乗した件があります。搭乗券の行き先確認は慎重に。そして、そのお客サマは本日戻っていらっしゃいます。到着時のミート(出迎えのこと)とホンコン行きの出発時のアシストをお願いします。」
と上司。到着時の出迎えの担当はこの私でありましたが、
「そんなこともあるんだねぇ」
前々日のことはすっかり頭からなくなっていた私は同僚と無意味な感嘆にふけっちゃいました。
そして、到着機のドアを開けるとあのお客サマが相いも変わらずの笑顔でパーサーとドアサイドに立っているではないですか!まさかニューヨークに行っちゃったのがあのお客サマだとは思わなかった!
「ああああぁーーーー」と驚く私に
「あ〜あ〜あ〜あ〜、○×□△%?」と広東語で叫び嬉しそうに抱きついてくるお客サマ。
「本当にごめんなさい。ごめんなさい。許してね」
そして、骨折してギブスをした腕を吊るしている三角巾には
「TO HKG 」
とマジックで書かれてある!いくらなんでもこれはヒドイ!と、さすがに悲しくなり
「お〜ん、お〜ん(>_<)」と声をあげて泣いてしまったのは、そう私・・・・
もし自分の祖母がこんな目に遭っていたらと思うとやり切れなかった。そんなことも今まで気がつかなかった自分にも腹が立つし・・頭の中は混乱・混乱。そんな私ににびっくりしたお客サマが私を「よしよし」と慰めてくれたという情けない結果。本当情けない・・・
お互い言葉が完璧に通じないながらもわかったことは、あの日私が教えた搭乗口は正しかったが、ホンコン行きの前にニューヨーク行きの出発があったそう。 ニューヨークから来たしなんとなく行ったら乗れちゃったようで、降り立ったらニューヨークでびっくりしちゃった!(とおっしゃっていたと思う・・)
ギブスにこんなにされちゃって本当に申し訳ない気持ちで一杯でしたが、
「これでばっちり。ホンコン行ける。だから、大丈夫!」(たぶん)と親指を立ててウインクした顔が今でも忘れられません。
今はこんなずさんなことからmis-boarding(行き先間違え)は絶対にありませんが、私がサービス業に携わるものとして常に謙虚な気持ちでいることの大切さを学んだ貴重な経験でした。
あのお客サマは今どうなさっているのでしょう。ご健康でご健在であることを願います。
mota : 17:09 | Tb (0) | Page Top ▲